【私立大学が難化】と言われているけど
自信を持って頑張れ!
もしくは
だからこそチャンスも多いぞ!!
という趣旨で書いています。
②実際、どのぐらいの「安全志向」?
③自分には「大チャンス!」な世間の「安全志向」
④塾から感じる合格者のレベル(難化は本当か?)
⑤受かる人は「頭がいい」からではない!
⑥高3は今から何をするべきか?
⑦高2は今から何をするべきか?
⑧まとめ
①私立大学が難化した原因は?
私立大学に入りにくくなっている…と言われています。
その直接的な原因は、入学定員厳格化にあります。
これは地方の大学の経営が苦しいので、都市部の大規模大学の入学者を減らして、地方の大学を救いたいという国の政策です。
2015年度までは収容定員8000人以上の大規模大学では、入学者が定員の120%以上になると国から補助金が受け取れなくなっていました。
このパーセンテージが、2016年度は117%、2017年度は114%、2018年度以降は110%と、徐々に引き下げられて、2018年度以降は110%以上になると国から補助金が受け取れません。
だから、2015年度の120%から110%になったということは、10%の受験生が入学できなくなっているのです。
ちなみに、「収容定員」と「入学者の定員」は違います。
収容定員 ⇒ 入学定員×4学年に若干の編入学者を加えた人数です。
入学者定員 ⇒ その年に入学できる人数です。
入学者定員で見ると、同志社大学は6351人、関西学院大学は5700人、関西大学は6522人、立命館大学は7904人。つまり1学年の人数です。
ここで、私立大学に入るのが難しくなっている実感を持ってもらうために、単純計算をしてみます。関関同立の入学者定員は、合計で2万6477人となります。
2015年だと、120%未満までOKだったので3万1771人までは入学できたのです。でも、今は2万9123人まで入学者が減っています。つまり、関関同立の全体で2648人も入学者が減っているのです。さらに言うと、普通は私立大学は合格者を定員の3倍ほどは出します。関学に合格しても、神戸大学に受かれば神大に行くし、同志社に受かればたいていは同志社に行くし、同じ関学内でも併願するからです。
ということは、関関同立で8000人ぐらい合格者が減っていることになります。
実際、ここ3年ぐらいの高校の現場でも「なかなか受からない…」という実感があるようです。だから、高校の進路指導ではかなり安全志向となっているようです。つまり、かなり下の方の大学まで「滑り止め」で受けさせる進路指導になっているようです。これが入試における「安全志向」です。
②実際、どれぐらいの安全志向?
どれだけ2020年度の入試が安全志向になってるかが分かるデータを2つ紹介します。
①朝日新聞2019年12月16日の記事から抜粋
ここには、河合塾が2019年の夏の自社の模試から志望動向を探った結果が掲載されていました。
「翌年に新入試を控え、現役合格を意識した心理から、国公立・私立ともに難関大学を敬遠する動きがみられる」
「都市部の大規模私大で志望者減が目立つ。「早慶上理」(早稲田、慶応、上智、東京理科)や「MARCH」(明治、青山学院、立教、中央、法政)では、いずれも前年比94%となった。」
つまり、都市部の大規模大学では、去年と比べて志願者が6%減っていることになります。
②日本経済新聞2019年10月30日の記事から
以下の数字は日経新聞に掲載された「第1回駿台・ベネッセマーク模試」(9月中旬実施)の結果です。数字は、今年度の入試の志望者数を前年度の志望者数で割った「志望者指数」です。去年と比べてのこの時点での志望者の増減となります。
【関東】
早慶:90%
MARCH:86%
日東駒専:95%
大東亜帝国:105%
【関西】
関関同立:92%
産近甲龍:93%
摂神追桃:123%
このベネッセの模試での志望調査からは、関関同立に行きたい人が去年より8%も減っているようです。産近甲龍でも7%減っています。ところが、摂神追桃は23%も志願者が増えています。
「摂神追桃」は、産近甲龍の下に位置する「摂南大学」「神戸学院大学」「追手門大学」「桃山学院大学」の4大学をグループ化した呼び方です。
以上は、あくまで2019年の模試からの予想です。実際に2020年度の入試がどうなるかは、現時点では分りませんが、分母の数が大きいので、おそらくこのような流れは変わらないでしょう。
では、去年の2019年度の入試はどうだったのか?これは、もう結果が出ています。データを3つ紹介しておきます。
①福井新聞2019年6月27日
2018年から比べた2019年の結果を関関同立の各大学別で表したのがしたの黄色の表です。
志願者 | 合格者 | |
同志社大学 | 92% | 94% |
関西学院大学 | 92% | 94% |
関西大学 | 101% | 103% |
立命館大学 | 96% | 110% |
次に、大学のグループごとの2018年から比べた2019年の結果を下の緑の表で表しました。
志願者 | 合格者 | |
関関同立 | 96% | 102% |
産近甲龍 | 105% | 113% |
※関関同立の数字は河合塾の集計です。
※産近甲龍は福井新聞2019年7月5日の掲載です。
②週刊朝日2019年8月9日
「偏差値45~50の受験生が、摂神追桃に合格した割合を調べてみると、文系の一般方式で18年の46%に対して、19年は25%と大幅に減少しています」
ここで重要なのは「偏差値45~50の受験生が」と限定していることです。「できる受験生」は問題なく受は、関関同立の下に位置する産近甲龍という大学部ループの下に位置する大学グループです。
③神戸学院大学のHPより計算
神戸学院大学のHPに掲載されている2019年度の一般入試の志願者は、2018年度と比べたら138%となり、大幅にアップしています。
以上の結果から、去年も安全志向だったのです。
各業者の模試の動向は、大学の職員の人たちも注視しています。藤井セミナーの出身者からも、数名が有名大学の職員をしており、各地の入試説明会に出向いた時に直接いろいろな感触を得ているようです。その大学職員である彼ら彼女らの感触でも「かなり高校生が安全志向となっている」と直接話を聞いております。
以上は、ここ最近の大きな流れです。
でも、大きな流れ(マクロ的な動き)と自分の個人の動きとは、全く関係ないこともあると思いませんか??
実は、世間の「安全志向」は自分にとっては2つの意味で大チャンス!なのです。
そして、そのチャンスを活かす方法は??
③自分には「大チャンス!」な世間の「安全志向」
チャンスを活かす方法は、ほとんどの場合は「人と違う事をする!」ということです。
千利休が詠んだとされる俳句に「人の行く 裏に道あり 花の山、いずれを行くも 散らぬ間に行け」というのがあります。意味は、「きれいな花を求めて山に行くなら、誰も行かない裏道から行くかないとあかんで!!しかも散らないうちに早くね!」ということでしょう。
つまり、受験に置き換えたら「みんなが安全志向でレベルを下げるなら、人が減ってスコスコになった難関大学で私が受からしてもらいます!」という発想です。
昔、ジャイアント馬場が、UWFなどが全盛の時代に「みんなが格闘技に走るので、私、プロレスを独占させていただきます」というキャッチコピーで、全日本プロレスの隆盛を築いたのに似ています。(何のことか分からなければ、お父さんに聞いてね!)
日本人は、世界の中でもかなり「同調圧力」に弱い民族とも言われています。
ヌー(牛の一種)の話を知ってますか?毎年、ケニアで大群で移動して、前のヌーが川で溺れているのに、後ろからどんどん川に入って溺れて、毎年6000頭以上が死んでいくヌーに似ています。同調圧力が強すぎて、自分で判断しないし、判断できない多くの日本人を連想してしまいます。
ここは、冷静に自分で判断して「安全志向」の友達には、そのままレベルをどんどん下げて安全な大学を受けて頂きましょう。そしたら、上の方の大学はどんどん受験者が減り、スコスコになります。
④塾から感じる合格者のレベル(難化は本当か?)
私大が難化!と言われて、確かに合格者数は減っていますが、これだけは言えます!
「藤井セミナーで毎年目標にしている基準に達した人は、ちゃんと毎年受かっている!」ということです。
「私大が難化!」と言われだす前は、時々「あれ?、このレベルでも受かるのか…」という受験生がいるにはいました。ただ、最近は全くそのようなことがなくなっただけです。つまり、「ちゃんとやった人」は、私大が難化しようがしまいが、受かっているのです。
野球に例えると「芯に当てたボールだけがヒットになる」ということです。ポテンヒットや飛んだコースがよかっただけのヒットはなくなったのです。「風が吹いてホームラン」がなくなったのです。昔、甲子園球場には「ラッキーゾーン」というのがあったのですが、それがなくなったっていうことです。今でも、芯に当たればホームランです。同じように、しっかりと受験勉強の水準を守って頑張れば合格します!
ある意味、しっかりと努力をして数値的に結果を出した人だけが合格するので、むしろよかったのでは?とさえ思います。
藤井セミナーで掲げている「受かる基準!」は、部活を一生懸命している高校生でも、細切れ時間でちゃんと達成していくことが可能です。「時間の使い方」、「細切れ時間の活用方法」など、純粋な勉強面以外の所でしっかりと取り組むだけのレベルの話なのです。こういった細かい日々の差で、1年もたてば大きく結果が変わるのです。
⑤受かる人は「頭がいい」からではない!
ここ、大事な章ですよ!
この記事のタイトルの後半部分の「受かる対策は??」に当たります。
まずは、下のデータを見てください。
これは、国立の神戸大学を受験した受験生の中で、何パーセントの受験生が関関同立に受かったか??のデータです。神戸大学は旧帝大に匹敵する国立の難関大学です。
たぶん皆さんは「センター試験も高得点だったから神大を受験するわけだから、勉強できる子らやん!全員、関関同立ぐらい楽勝で受かるはず!」と思うのでは??
ところが、福井新聞の2019年7月13日の記事には、次のようなデータが掲載されていました。
・同志社大学合格者 41%
・関西学院大学合格者 57%
・関西大学合格者 65%
・立命館大学合格者 66%
つまり、神戸大学を受験しているのに、同志社大学には約6割の生徒が滑っているということです。関西学院大学にも43%の人が滑っているのです。
ところが一方で、藤井セミナーから関学や同志社に受かる現役生の6割が直前の模試の判定でE判定で、2割の生徒がD判定なのです。このE判定やD判定の生徒たちが、センター試験をクリアーして神大受験まで行けるか??と言われたら、ほとんど無理だと思います。
この事からも、受ける大学に対する個別の 対策がかなり重要だ!とわかると思います。
対策とは、どんな形式で、どんな問題が出るかを調べて、実際に問題を解いていき、だんだんと時間を測ってまるまる1年分を解いていくというプロセスになります。
まず、模試と実際の入試とは全然違うし、センター試験と私立大学の入試とも全然違います。模試もセンター試験も1回で結果を出さなくてはなりません。代打ホームランを狙うようなものです。一方で私立大学の試験は、同じ大学を受けて行けば、同じ形式で何日も連続で受験ができます。当然慣れていきます。直前でもかなり同じ形式で過去問を解いて練習しています。やる生徒は、中には5年分×10学部ぐらいの練習を秋から冬にかけて行っています。そして、関学でも同志社でも、3日目や4日目ともなれば、世界史や日本史で、まだ出ていない分野がわかってくるので、ヤマが大きく当たることもあります。つまり5打席目でホームラン!でいいのです。もしくは5打席目でポテンヒット…でもOKです。
だから、実際の入試では「頭がいいから」受かる人もいますが、「しっかりと対策をしたから」受かる人もいるのです。普段は0.250の8番バッターでも、次の試合が左ピッチャーとわかっていたら、しっかりと対策を立てて練習をして、実際の試合では4番バッターよりも打てるバッターもいる
⑥高3は今から何をするべきか?
多くの現役生が、毎年どの大学でも合否のギリギリゾーンにひしめきます。ボーダーライン付近には受験生の30%前後の人がひしめき合うと言われています。なので、どれだけ割り切って、開き直って徹底できるかです。
この時期のアドバイスは、もうお茶を濁さずに言うと、関西圏の私学文系で微妙ゾーンか、苦しめの受験生なら、関学か同志社に絞って、過去問対策を徹底することです。東京なら明治大学か学習院大学、もしくは中央大学に絞るのが勉強を進めやすいと思います。
「滑り止め」??
そんなの全然いりません!!
「1粒で2度おいしい」って宣伝をしってますか?グリコのアーモンドチョコレートの宣伝です。岡田奈々、三浦友和、森田健作、松崎しげる、小泉今日子、松田聖子とかがCMしてたような気がします(知らなければお母さんに聞いてみて!)。みなさんのお母さんが小学生の頃のCMかな…
話が大きくそれましたが、現役生の受験は「1粒で2度おいしい」…いや、現役生の受験は「1粒で2度目でもおいしい」のです。
滑り止め対策なんてしてたら、同じボーダーラインのライバルに負けます。彼らの中には、滑り止め対策なんかせずに、その時間を関学や同志社に絞って徹底して過去問対策をしています。だから、ボーダーライン付近の受験生が、滑り止め大学の対策なんてしたら、一気に不利になるのです。でも、滑り止めと言えども、全く過去問をしなくて受験に行けば、1回受けて1回で合格…はやっぱり難しいので、「滑り止め大学」に滑ってしまう可能性も出てきます。「滑り止め」と思って受けて滑っていたら、本当に腹が立ちます!!だから、滑り止めなんか受けないのが賢明です。その方が、うんと「現役合格率」が高まるのです。
じゃ、もしそれで、全滅して浪人したら??
…それは腹をくくって勝負に出て負けたのですから、もう諦めて浪人して頑張りましょう。来年の浪人生は、かなりラッキーな面もあります。今年の「安全志向」のおかげで、来年の浪人生のレベルがかなりひくいはずだからです。現役生は、浪人生より勉強のスタートは遅いし、学校もあるので時間的にも不利なのです。だから、もし浪人したら、それはそれで、周りのレベルが低いので、来年の浪人生はかなり有利な戦いができるはずなのです。
極端な話、もし日本中で自分一人しか浪人生がいなかったら、ライバルは現役生だけなので、余裕だと思いませんか??
だから、「1粒で2度目でもおいしい」のです。
今年マリナーズを引退したイチローは、バットを振りにいって「しまった!、ヒットにならない!」と思った瞬間、空振りをする技術があったそうです。そしたら、次の球をヒットするチャンスも残されます。つまり、「滑り止め」にひっかからないのが大事です。だから「滑り止め」は受けずに、ダメなら来年に関関同立、いや次は早稲田慶応にチャレンジした方がよっぽどいいと思います。
⑦高2は今から何をするべきか?
今、高校2年生や高校1年生の人たちにとって重要なのは、とにかく、早く始める!に尽きます。
来年の今頃、追い込まれているとしたら、それは能力の問題ではなく、始める時期が遅かった…という理由でしょう。受験勉強なんて、誰がトライしてみても「やることは決まっている」のです。英単語は何個覚えて、英文法はどのぐらい覚えて、英語長文をどのぐらい練習して読めるようにして、社会の暗記は教科書何ページ分で…というように、誰がやってもやる分量は決まっています。そして、誰がやっても、ある程度効率的な方法をとったとしても、同じような時間がかかるのです。
高校2年生は、メンタル的に大人な人もいるし、まだ子供の人もいると思います。だから、早めに受験勉強のスタートを切ることで大人のメンタルを身につけましょう。いつかは大人になるのですから。
よく高校生の人が、「好きなことはできるのに…」って言います。逆に、「好きな事も一生懸命できない」ならば、ダメやん!!って思いませんか?好きな事なんてできて当た前。その次のテーマとして、自分が進むべき道がわかっていて、そこを目標にしているなら、その条件を洗い出してみた結果、嫌な項目が入ってても、それはしないと仕方がない!、いやむしろ先に仕上げていこ!!と思うべきです。だから、目標達成の条件に嫌いな事があっても、覚悟を決めて取り組めることができるか??…であなたの人間力が決まるのです。
実際、何に、どれぐらいの時間がかかるかは、また藤井セミナーの説明会に参加してみて、話を聞いてみてください。
⑧まとめ
対象とする人
ボーダーラインよりやや下か、ギリギリゾーンの、一番多く人が集まるところにいる受験生。
対策
▼徹底した過去問対策で、大学を絞って数を受ける事。
▼現役生は「滑り止め」なんて受けずに、背水の陣で志望大学だけを集中的に対策をして、集中的に受験をする。「滑り止め」対策をする時間がもったいない。
▼対策をせずに1つか2つの受験ならたとえ「滑り止め大学」でも滑る可能性もあり、それはそれで腹が立つ…。かといって「滑り止め大学」の対策をしてたら「行きたい大学」の対策が手薄になる。だから「滑り止め大学」は受けない。
結果
▼志望大学に合格すれば、「よっしゃ👍😁❗」…ということで、4年間楽しみつつも充実させてください。
▼現役生が志望大学に不合格なら、覚悟を決めて浪人をして人生を切り開きましょう!来年の浪人生はレベルが低いので、絶対に高得点で合格することを目指して、それを実現させてください!
浪人に関する相談は、どんなこともいいので、下記のメールアドレスまでお気軽に相談してください!
ikawa@fsemi.co.jp(お名前、高校名、今年受験した大学と学部は明記してください)
浪人する人は、高3の時の学力や成績は全く参考にならないので、一切気にしないように!!