次期学習指導要領で大学受験英語はどう変わる?英単語と長文読解がさらに重要になる理由

2026年8月31日、文部科学省の中央教育審議会で「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(素案)」が示されました。

まだ正式決定ではありませんが、今後の学校教育がどの方向に進もうとしているのかが、かなり具体的に見えてきています。

AIや情報教育の拡充など、さまざまな変更が検討されていますが、大学受験英語を専門に指導している藤井セミナーとして特に注目しているのが、

「英語教育が今後どう変わるのか」という点です。

結論から言うと、これからの英語教育では、

「単語を知っている」

「英文を読める」だけではなく、

読んだ内容を理解し、考え、自分の言葉で伝える力

までが、これまで以上に求められる可能性があります。

一方で、その流れを見るほど、

英単語・英文法・長文読解という基礎の重要性は、むしろさらに高くなると考えています。

英語教育で検討されている「基盤語彙リスト」

今回の次期学習指導要領の議論で、英語教育に関して特に興味深いのが「基盤語彙リスト」です。

文部科学省の外国語ワーキンググループでは、複数のコーパスなどを参考にしながら、

「英語学習において重要な語彙を整理した基盤語彙リストを作成する」

という方向性が示されています。

さらに、語彙の難易度や使用頻度などを考慮し、指導する語彙数についても精選を含めて見直すことが検討されています。

兵庫県の中学生や保護者の方なら、「はば単2500」を思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。

もちろん、基盤語彙リストと「はば単」は同じものではありません。

ただし、重要な英単語を明確にし、それをしっかり定着させるという方向性は非常に近いものがあります。

「英単語を覚えなくてもいい時代」にはならない

生成AIや翻訳AIの進化によって、

「これからは英単語を覚えなくてもいいのでは?」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、今回の議論を見る限り、むしろ逆だと思います。

これから求められるのは、とにかく大量の単語を暗記することではなく、

重要な語彙を確実に身につけ、実際の英文の中で使える状態にすることです。

英語を読むときに、「この単語、見たことあるな」では足りません。

英文を読んだ瞬間に意味が分かる。

文章の中でどのように使われているのかが分かる。

そして最終的には、自分が話したり書いたりするときにも使える。

そこまで定着させて初めて「使える語彙」になります。

「単語帳を渡す」ことと「単語を覚えさせる」ことは違う

英単語が大切だということ自体は、ほとんどの高校生が知っています。

学校でも言われます。

塾でも言われます。

単語帳も持っています。

それでも、実際には英単語を十分に覚えられていない高校生は少なくありません。

「英単語が重要だと知っていること」と、

「実際に2,000語、3,000語を覚えていること」

には大きな差があります。

単語帳を渡して、「毎日覚えておいてください」と言うだけなら簡単です。

難しいのは、本当に覚えさせること。そして、覚え続けることです。

藤井セミナーでは、大学受験英語を指導するうえで、以前から語彙力を非常に重要な土台として扱ってきました。

英単語を「覚えなさい」で終わらせるのではなく、単語テストと反復を通じて、実際に定着させる仕組みを作っています。

次期学習指導要領で「基盤語彙」という考え方が出てきたことを見ると、

これから重要になるとされていることを、藤井セミナーでは以前からかなり重視してきた

と感じます。

これからは「読んで終わり」の英語ではなくなる

次期学習指導要領の検討では、

読む。

聞く。

話す。

書く。

という英語の力を、より統合的に扱う方向が示されています。

例えば、

英文を読む。

内容を理解する。

筆者の主張を考える。

自分の意見を作る。

英語で説明する。

といった学習です。

つまり、

「英文を日本語に訳せたら終わり」

という英語学習ではなくなっていく可能性があります。

大学受験英語も少しずつ変わる可能性がある

ここからは、現時点で決定されている内容ではなく、今回の方向性を踏まえた予想です。

学校教育で「読む・考える・発信する」ことが重視されるのであれば、大学入試も少しずつその方向に進む可能性があります。

例えば、

英文要約。

内容説明。

自由英作文。

複数の資料を読んで考える問題。

英文を読んだうえで自分の意見を書く問題。

こうした問題の重要性が高まる可能性は十分にあります。

特に国公立大学の二次試験や一部の私立大学では、記述力や思考力を問う問題が今後さらに増えても不思議ではありません。

ただし、

「これからは英作文だけやればいい」

という話ではありません。

むしろ逆です。

発信が求められるほど、長文読解力が重要になる

例えば大学入試で、

800語程度の英文を読み、その内容について自分の考えを80語程度の英語で書く問題が出たとします。

この問題を解くためには、まず800語の英文を正確に理解しなければなりません。

しかも、読むことだけに試験時間を使うこともできません。

英文を速く読む。

内容を理解する。

重要な部分を判断する。

自分の考えをまとめる。

そして書く。

ここまでやる必要があります。

つまり、書く力が求められるほど、その前段階にある「読む力」が必要になるということです。

藤井セミナーが大学受験英語で長文読解を非常に重視しているのは、このためです。

これからの英語教育は今後変わっていくでしょう。

AIを活用する場面も増える。

英語を話したり書いたりする機会も増える。

大学入試の出題形式も変化していく可能性があります。

しかし、その土台は大きく変わらないと思います。

語彙

↓

文法

↓

長文読解

↓

思考

↓

発信

です。

英単語が分からなければ英文は読めません。

文法が分からなければ、複雑な英文を正確に理解できません。

英文を読めなければ、その内容について考えることもできません。

内容を理解できなければ、自分の意見を話したり書いたりすることもできません。

だからこそ、AI時代になったから基礎学力が不要になるのではありません。

むしろ、高度なことを求められるほど、基礎学力が必要になると考えています。

藤井セミナーがこれまで大切にしてきたこと

藤井セミナーでは長年、大学受験英語を指導する中で、

英単語をしっかり覚えること。

英文法を理解すること。

そして、たくさんの英文を読み、長文を速く正確に読めるようにすること。を大切にしてきました。

授業でも、単に問題の答え合わせをするだけではありません。

長文を使いながら、なぜこの訳になるのか。

英文がどのような構造になっているのか。

設問の根拠はどこにあるのか。を確認します。

そして復習では何度も音読し、英文を速く処理できる状態を目指します。

大学受験の英語長文は、試験本番で初めて見る文章です。

だから必要なのは、

「授業でやった英文を覚えること」ではありません。

初めて見る英文でも読める力です。

次期学習指導要領で求められる英語力が、今後さらに

「読む → 考える → 発信する」

方向に進むのであれば、

語彙力。

文法力。

長文読解力。

この3つをしっかり作ることは、これまで以上に重要になるのではないかと思っています。

まとめ

次期学習指導要領は、まだ正式に決定されたものではありません。

今回示されたのは「審議まとめ(素案)」です。

そのため、大学入試が具体的にどう変わるのかも、現時点では決まっていません。

ただ、方向性は少しずつ見えてきています。

これから求められるのは、

単語を覚える。

文法を理解する。

長文を読む。

そこから必要な情報を取り出す。

自分で考える。

そして表現する。

という英語力です。

藤井セミナーでも、新しい情報を確認しながら、今後の大学入試の変化をしっかり追っていきます。

ただ、一つだけ確信していることがあります。

どれだけ英語教育が変わっても、

「英単語をしっかり覚え、英文を速く正確に読める力」

は、大学受験英語の中心であり続けると私たちは考えています。

参考資料

文部科学省「教育課程企画特別部会(第17回)配付資料」

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/101/siryo/mext_00056.html

文部科学省「教育課程部会 外国語ワーキンググループ」

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/108/index.html

文部科学省「外国語WG取りまとめ案」

https://www.mext.go.jp/content/20260618-mxt_kyoiku01-000050382_3.pdf

兵庫県教育委員会「はば単2500」

https://www2.hyogo-c.ed.jp/hpe/gimu/english/habatan

※本記事は2026年9月時点で公表されている資料をもとにしています。次期学習指導要領は正式決定前であり、今後内容が変更される可能性があります。

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