「有名企業400社への実就職率の高い大学」で分かる、地方国公立より関関同立の現実。
毎年、「東洋経済」から「有名企業400社への実就職率の高い大学」が発表されます。今の時点での最新版です。
志望大学を選ぶ時、何を基準にしますか？
大学を卒業したら次は社会人です。その観点からすると、この資料が大学選びで非常に参考になると思います。
では、この表の後に、この表の見方を説明しているのでぜひじっくりと読んでみてください。
関関同立の位置づけは？
18位に同志社で29.4%、31位に関西学院大学で22.4%、40位に立命館大学で19.7%、48位に関西大学で16.8%…となっています。関関同立の中の位置づけは、昔からずーっとこの順番です。この順番が大学の全てを表しているとは思いませんが、すくなくとも東洋経済が発表している大企業への就職ランキングではこうなっています。
また別の視点からは立命館大学はすごいです。イギリスの大学評価機関 Quacquarelli Symonds（QS）の発表によると、「QS世界大学ランキング2024」では立命館大学は世界順位「631-640位」にランクインし、て国内の私立大学では4位（西日本私立大学1位）だそうです。大学として価値を高める努力を戦略的に行っていると思います。
もちろん「イギリスの大学評価機関」で立命館大学は西日本私立大学１位だから立命館大学に行きたい！って思ってもいいでしょうし、またはこの東洋経済の資料を見て、同志社に行きたい！と思ってもいいでしょうし、または神戸在住なら時間とお金がかからない関西学院大学でいいわ…って思ってもいいでしょう。
とにかく、何か自分なりの基準を持って志望大学を選ぶのがよいと思います。ここでは、大学を卒業した後の就職にテーマを絞るので、その観点から見ると、やっぱりこの東洋経済の記事は無視しにくいと思います。
理系と文系の観点から関関同立の順位を見る
日本全国の大学生の中で理系は35%、文系は65%です。なので理系は就職に強くて、10位以内の大学では理系の大学が６つ入っています。
関関同立の理系の割合を募集人数から見るとこうなります。
・立命館大学の理系27%
・関西大学の理系26%
・同志社大学の理系16%
・関西学院大学の理系13%
やっぱり、立命館大学はやる気のある大学です。関学も見習って、、もうちょっと理系を増やして欲しい所です。
でも、理系って就職がいいはずなので、理系の人数が多い大学の方がこの東洋経済のランキングでは上に来るような気もするのですが…。
なら、文系の人の場合は、やっぱり同志社や関学の方が、立命や関大より就活に強いのでは？と思う人もいると思います。
ちなみに、兵庫県立大学は理系が72%の大学です。それでこの順位なので、文系の学生はかなり就活が悪いのでは？と思ってしまいます。
何度も言いますが、就職だけが学生生活の全てではないのですが、ここではテーマを就職や就活に絞っているのでご了承ください。
1学年の数が多いほど有利！
理系の大学や、一橋大学やICUなどは別ですが、一般的には卒業生が多いほど就職活動では有利です。多くの先輩が社会で活躍しているのでOB訪問がしやすいからです。
この表の「卒業生」の所を見ると…
4位 慶應大学 7805人
11位 早稲田大学 11623人
18位 同志社大学 6611人
23位 明治大学 7698人
31位 関西学院大学 5575人
40位 立命館大学 8289人
48位 関西大学 7188人
となっています。都会の総合大学の1学年の規模はこんな感じです。高校とは桁が違います。
一方、この三宮教室の地元の兵庫県立大学は1708人、神戸市外大は407人です。
これでは、世の中に多くのOBがいないので、やっぱりOB訪問なども苦労するかもしれません。
53位の国立の広島大学をどう見る？
国立広島大学は、難関大学ですが、この就職率の結果では53位なので、関関同立の最下位の48位の関大にも負けています。広島市在住の高校生が同志社と広島大学にＷ合格したら、そりゃ迷わず広島大学でいいと思います。
でも、神戸の高校生が同志社大学と広島大学、もしくは関学と広島大学にＷ合格したらどうしますか？
高校の先生的には絶対に広島大学でしょうね…。でも、この東洋経済の資料を見て、就職活動を見越して選ぶなら、神戸在住の高校生なら関関同立の方がいいのではないでしょうか。
確かに学費は国立の方が安いです。でも一人暮らしの費用や、就職活動費がかかります。
ちなみに、神戸から九州の国立大学の文系学部に行った生徒（九州大学じゃないです）は、就職活動費に200万円使っています。学内企業セミナーに来る企業は地元の企業が中心なので、合同企業セミナーに参加するために大阪や東京に飛行機で何回も行ったためです。また、コロナの時、NHKのニュースで国立の茨城大学の大学生が「来年の就職活動費でアルバイトをして100万円を貯めようと思ったけど、コロナでバイトが無くなって困っている…」と放送されていました。やっぱり地方国公立の大学生が大企業に就職するのは大変なようです。これではせっかく国公立で学費が安いのに、1人暮らしと就職活動費をあわせたら、通いで関関同立に行く学生よりもかなりの出費となります。
もしくは東洋経済の「この資料は嘘や！」と思って、神戸から広島大学に行きますか？？
大学3年生での就職活動は不安になりませんか？？
この東洋経済の資料は、偏差値表ではないし、学力の優秀順でもありません。あくまで、大手企業にどれだけ就職できているか？という数字でしかありません。なので、大学卒業後の就職を考えるなら、やっぱりこの資料を参考にした方がいいと思います。
ただ、理系の学生なら広島大学だと思います。理系の場合は大学院に行って、教授推薦などで就職する人も多いので。
産近甲龍の位置づけをどうみる？
産近甲龍で一番最初に顔を出すのは近畿大学です。でも、有名企業への就職率は9.5%です。この数字をどう見るか？
近年、イメージ的には勢いのある近畿大学ですが、有名企業への就職率でみると関関同立の最下位の48位関西大学16.8%のだいたい半分強のパーセンテージとなっています。つまり、だいたい同志社から関西大学までの距離と同じぐらいの距離が関西大学と近畿大学の間にはあるようです。これを「まだまだ」とみるか、近大が追い上げていると見るか？？
ここで、体育会の存在を知っておいてください。サークルじゃなくてガチの部活のことです。私は関学出身でなのですが、体育会の学生ってかなり就活が強いと思います。私も体育会で部活を大学生活のメインにしていましたが、同じ学年で私ともう一人留年しました。なので1年後輩と一緒に就職活動をしました。その結果、パナソニック、伊藤忠商事、丸紅、東芝、富士ゼロックス、電通にそれぞれ入社しました。しかも、みんな３～５社ぐらいしか受けていません。ちなみに全員が一般入試で、経済、法、商学部で、何人かはTOEICが700以上でした。もう30年ぐらい前の話ですが…。
近年、藤井セミナーから一般入試で関学に入って、体育会に入った元生徒達もこのような企業から内定をもらっています。（女子は全員が総合職です）
葺合高校㊚➡関学 経済➡体育会レスリング部➡三井物産
葺合高校㊚➡関学 商➡体育会馬術部➡キーエンス
鈴蘭台㊚➡関学 経済➡体育会レスリング部➡三菱UFJ銀行
須磨東高校㊚➡関学 法➡体育会レスリング部➡帝人
友が丘高校㊚➡関学 法➡体育会レスリング部➡武田薬品
鈴蘭台高校㊚➡関学 商➡体育会ラクロス部➡三菱電機
友が丘高校㊚➡関学 経済➡体育会射撃部➡ネスレ
星陵高校㊛➡関学 商➡体育会ラクロス部➡三菱電機
星陵高校㊛➡関学 商➡体育会弓道部➡パナソニック
伊川谷北㊛➡関学 商➡体育会ハンドボール部➡パナソニック
高塚㊛➡関学 商➡応援団吹奏楽部➡パナソニック
今でも、体育会で、勉強するゼミに入って頑張っている学生は、やっぱり就活はかなり強いようです。この中にも何人かはTOEIC の高得点者がいます。
そして、おそらく体育会の学生は数％しかいません。単なる予想ですが、関学なら40個ぐらいの部活があるので、1学年を5人として40をかけると200人。野球、サッカー、ラグビー、アメフト、ラクロスなどは沢山の部員がいるのでそれぞれの部活に40人いるとしたら200人で、合計では1学年400人と仮定します。すると、体育会の学生は1学年で約７％の学生になります。
そこで、産近甲龍の話に戻します。
産近甲龍のトップの近畿大学の有名企業就職率は9.5%です。そして、近畿大学は関関同立と違って理系が約50%もいる大学です。…ということは、近畿大学の有名企業就職率の9.5%は、体育会と理系の学生で十分埋まってしまって、普通の文系学生には全然回ってこない…と思いませんか？
あくまで、私の推測なので真実は調べようも有りませんが…。
でも、もし私の推測が正しいなら、文系の学生が「俺は近大に行って、9.5%の中に入るぞ！」と言っても、体育会にでも入らない限り、無理だと思うのです。
女子の就職、女子大の存在をどうみる？
女子大が没落している気がします。
まず、女子の就職は「総合職（≒男と一緒にバリバリのキャリアウーマン）」と「一般職（事務職で昔のOLさんのイメージ）」に分けられてきました。女子大の就職は、今までは「一般職」がメインでした。
でも、もう多くの会社は一般職を採らないようです。関学の学生でも、メガバンクなどの一般職採用もありますが、メガバンクに総合職で内定をもらう女子もいます。でも、昔は華やかなイメージのブランド的な女子大からはなかなか総合職での就職は難しいので、一般職の採用がなくってきたら女子大は没落していくのだと思います。
まとめ
文系の場合は、この資料からも、また藤井セミナー出身者の関関同立進学者の就職活動の結果からも、地方国公立に行くぐらいなら、関関同立の方がいろいろな意味でいいと思います。まず、就職活動が全然違う。また大学での活動もいろいろ刺激的な事も多いと思います。例えば、同志社ならゼミの友達がラグビー部で、応援い行くとか、立命館でもゼミの友達が野球部で応援に行くとか…。
理系の場合は、まだ地方国公立でもいいかもしれません。理系はほぼみんなが大学院に行って教授推薦で就職を決める人も多いようなので。
特に文系志望の人は、単に学費が安いか高いかではなく、次の点もチェックポイントにしておいてください。
・一人暮らしの費用
・就職活動費と、就職活動での強さ、弱さ
・大学生活の刺激の度合いや他大学との交流
理系の人の大学生活は、かなり専門性の高いものになりますが、文系の場合の大学生活は、いろいろな意味での「勉強」が重要になります。そこで刺激がなかったり、就活で思わぬお金がかかるようだと、充実させたい大学4年間が「後悔の4年間」となってしまうので、そうならないようにしてください。
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