6月1日は、選考解禁日です。つまり、企業が学生の選考を開始していい日です。

ところが、藤井セミナー出身の何人かの大学生は、この日に大企業から正式内定をもらっていました。
なんで??
 
私が就職活動をしたのは1990年です。みんなが知っている大企業から数社、内定をもらいました。それまでの過程を今思い出してみると…
確か、その時は「就職協定」なるものがあって、大学4年の10月が選考の解禁日だったはず。つまり、それまでは選考を目的に企業は大学生と接触してはダメなのです。ところが実際は、10月1日は、内定をもらう日だったのです。
 
だいたい春ぐらいから、体育会名簿やゼミの先輩後輩の関係を通じて、いろいろな企業から接触され始めます。当時は携帯はなかったので、家の電話が鳴るのです。そして梅田や淀屋橋の喫茶店や、ホテルのロビーや、会社近くの定食屋などに呼び出されるのです。
 
そこで必ず言われるのが、「これは選考と違うから。絶対にスーツなんかで来るなよ!」という言葉です。でも、自分が3回生だった去年、4回生の先輩の就職活動を見て、またその4回生達からのアドバイスもあり、大学生はみんなそんな言葉は信じていません。口では「わかりました」と言いますが、実際は一次面接なんだということはわかっています。
 
この時、企業側から電話をかけてくるのは入社間もない若手社員です。そして会ってみて、その若手社員から「会社の先輩に会わない?」と言われて、ちょっと年上の先輩社員を紹介してくれたら、面接パスということです。こうやって、どんどん年配の社員を紹介されていきます。
 
この社員の人らは人事部ではありません。普段は、海外営業部だったり、資材部だったり、経理部だったり…。でも、この時期はリクルーターと言って、母校の大学に戻って、有望な学生をスカウトする係になるのです。
 
そして、企業がある程度の大学生をキープすると内々定のような事を言われるのです。
これが、確か夏休みぐらいだったような気がします。
 
そして10月1日は内定が出る日だったのです。
 
その後、この就職協定はすでに形骸化してたので、なくなりました。でも、また最近同じようなことが復活して、今年は6月1日が解禁日!となっていたのです。
 
案の定、やっぱりそんな約束は守られません。
 
実際、内定を出していも、その企業の人事部に電話をして「選考の件で話を聞きたい」と言っても、乾いた冷たい東京弁で「当社は就職協定を順守しております」と言われるだけです。
大学生は、「うそこけ!!」と思っています。

でも、正直に企業の言うことを信じて、解禁日まで動かない…なんて学生はバカ正直もいいところです。この場合では、完全に正直者はバカを見ます。
 
これが、社会人になる最初の体験なのです。
しかも、大企業から内定をもらえばもらうほど、それを解禁日まで隠します。
 
この最初の体験で、「大企業は平気で嘘をつく」「でもそれにあらがっても何の得にもならない」などということを、社会人デビューする直前で体験するのです。
 
こんな体験をして社会人になれば、それが将来の不祥事や不正の温床になるのでは??と思うのは私だけでしょうか。でも、私も大学生には、解禁日よりはるかに前から実質就活は始まるから!と、いろいろとアドバイスを送っています。なので、この状況を批判してるわけでもないのですが、この状況を冷静に見つめておいてほしいのです。
 
最近でも、東芝の会計不正、旭化成建材のデータ偽装、三菱自動車やスズキの燃費に関する不正問題など、企業の不正や偽装が相次いで発覚しています。テレビに出てきて謝罪しているその会社の幹部たちも、大学4年生の時には、このような就職活動の勝ち組だったのでしょう。
 
今年、藤井セミナーから早慶上智や関関同立やGMARCHに合格して、就活も頑張って大企業に就職するみなさん、綺麗ごとを言うつもりはサラサラありませんが、何か困難な状況に陥ったら、ほんまよ~く考えて行動をしてください。長いものに巻かれろで、永遠に行けるか、もしくはもう見限って転職するか…。たぶん、そんな状況に陥る社会人は、実際はほんの一握りでレアなケースでしょうが、自分にそれが降りかからないとも限らないので、多少は頭の片隅に置いててください。
 
希望の企業から内定をもらったみなさん、改めておめでとうございます。
卒業までの約10か月はあっという間に過ぎるので、残された大学生活を満喫してくださいね!
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