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今週の明治大学の現代文は、さすがに法学部らしくて、最初は難解に感じます。決して簡単ではありませんが、なんとか解ける問題も多いので、以下の解説を読んで考えてください。
問1 まず2は常識から考えてあり得ない。3は、3行目に「時代によって異なる所の理念」とあるから、前提の理念がことなれば法も異なるはずなので✖。4は、9行目に「…時代にあっては、法の観念は神と分離しえない」とあるので、✖。ただ、問1は一見難しそうだけど、2行目にほぼ同じ内容があるので、消去法を使わなくても、2行目を読めば積極的に1が答えとわかる。もちろん、消去法で追い詰めて、1を選んでもOKです。
問4 まず、19行目Cの傍線部分析です。「相互」とはお互いにだから、何個かあるはず。傍線部だけじゃ、わかりにくいから前後を見る。じゃ、上には「国造的秩序とそれ」というように2つある。「それ」は律令体制の事。そして、設問4つ全部に、「国造…」と「律令」があるから、この2つの関係がわかれば、正答できる。1は、「双方とも機能しなかった」ら、完全に無秩序なので常識的にもあり得ない。2は「結びつくことを約束」という「約束」は本文中に確認できない。おそらく、「制約」を読み違えさせる軽めのひっかけかも。3だと本文の「相互」や「一体」にならない。なので、答えは4。
問8 設問の「道理」は、3行目から5行目を読めば、道理=理念、なんとか=根拠と理解できる。つまり、設問を言い換えれば、「末貞さんは、何を根拠になわばりを守ろうとしか??」ってことです。そして次にヒントが、26行目の「神判の結果奪われた末貞の所領は」、そして28行目の「神判に対する道理の争い」です。そして29行目の「神判思想に対立して成長」もヒント。そして37行目の「法はもはや神意ではなく」がヒントです。あとは7文字で道理の言葉の近くを探して、見つかるかどうか…です。
問9 これは難しい。「そうでんりょうしょう」って日本史の用語にあるんですか??「相伝」は親から子、子孫へと次々受け継がれること。「領掌」は領有して支配すること。まず、さっきの問8を考える時に、「所領」という言葉が27行目に出てきます。たぶん、そのぐらいしかヒントはなくて、後はこの言葉を知らないとできないと思います。それに現代文の重要語などにも載っていない言葉です。だから、できなくてもいいや…と、諦めてください。
問11 これは理屈の問題。51行目に時効が存在しなかったので、それにあうものを選ぶ。4は、時効が成立するってことは、例えば100年間見つからなかったら罪にはならない。つまり罪じゃなければ正義??だから、不正を100年して、見つからなかったら罪にならないなんてしてしまったら、100年後には不正も正義になるやん!!それはおかしい!という考え方で、答えは4です。これは、できて欲しい。
問12 これは、できないとアカン問題。比較的探しやすい。まず大きく見たら、、昔は、9行目「法の観念は神と分離しえない」だったけど19行目「相互制約的に一体」となって、28行目「神判に対する道理の争い」となって、37行目に「法はもはや神意ではなく」となります。この流れがつかめてたら、探しやすい。さっき説明した流れが、46行目にそのまま書かれています。ここは正答ゲットの問題です。
問13 これは、偶然すぐにできました。設問に「どのような社会?」とあるので、「どんな社会やねん??」と思いながら、46行目からもう一度ザーっと目を動かして探していくと、53行目に「…社会」とそのままありました。字数を数えてもばっちり。でも実際は偶然でもなく、「どんな社会や?」と探すしかないので、それで見つかるような問題なのです。
問14 これも理屈の問題。「私」は88行目の上洛する北条泰時のこと。私心で上洛するんとちゃう!と71行目に解説しています。そして74行目に「…とする考え方にも通じている。」が確認できたら、「私」と対立するのは「人のため」ですが、概念で8文字なので「世のため人のため」です。なんとか正答して欲しい。
問17 ここまで設問を考えて来たら、比較的今までの問題よりやりやすいかも。それも、ここまで問題を考えたから。1は、「両者ともに時効の制度が存在しない」は、47行目を読めば簡単に✖。これは問11にからむので、簡単に✖! 3は「…人間が作為した律令は、ほとんど機能しなかった」とは書いていない。19行目に、すくなくとも「…一体となっている」のだから、機能しないわけはない。 4は最後に「全く神意と切り離された」とあるけど、全くなら100%のこと。でも68行目には「離れ得ない」とあるので✖。それに2の記述とほぼ対立する。ここは、ここまで消去法を使わなくても、全体の流れをつかんでたら、積極的に2と正答できる人もいると思う。
さて、今回の問題はどうでした?私は、最初は難し!!っと思って解いていって、途中混乱もしたり、もちろん正答できなかった問題もあったのですが、だんだんと中盤から、それまで設問があったから考えた内容が、この文章の理解を助けてくれて、後の方がだんだんと解ってきました。それで、もう1度最初から読むと、さらに解ってきました。
このように、「問題があって、それに答えようとするから解る!」ということもあります。つまり、設問が文章理解への助けになるのです。
最初は「なんか、嫌な文章、読みにくい…」と思いましたが、今は「これ、結構いい文章やん!」と思います。作者の人には、上から目線でも本当申し訳ないと思いますが…。
じゃ、しっかりと復習してください。