この質問をよくされるのですが、じゃあ例えばバスケットボールの練習で大会前、スローが苦手な場合、どうしますか?
そう、答えは両方です。フリースローは自分の型を作るのに最も大事です。だけど大会前ならそれだけでは絶対に良い練習とは言えないでしょう。実践の動きがある中でシュートを打つ練習も必要です。
なので、最悪なのは、基本が出来ていないと言って「実践=赤本」を辞めてネクステやスクランブルやヴィンテージだけをやり始める人です。
それで、上手くいった受験生は見たことがないです。
では、なぜ「実践=赤本」をやらずに基本が大事と言い始めるのでしょうか?
それは、赤本だと常に数字が見えてしまう事だと思います。
点が取れなければ怖い、嫌だ・・・気持ちは痛いほど分かります。
私も浪人経験者です。
私の最大のミスはこの時期に
「自分は基礎が足りていないので自分のペースでやろう!」と思ってしまった事が最大の敗因でした。
自分のペースでやっても受験までに間に合わない、それどころか一向に成績は上がりませんでした。
大事なのは対戦相手に合わせていつまでにアプローチをしていく必要があるという事です。
一般入試を受ける受験生が点数から逃げて良いことなんてひとつもありません。
サッカーや野球やバスケットボールで言うと「まだボールが怖いから、筋トレばっかりやるぞ」と言っているようなものです。
じゃあ具体的な数字の出し方です。
社会100点中90点とれたらいいな~とか英語は8割欲しい
これは受験1年前の状態であればよい目標の数値でしょう。
でも、今日のテーマは50日前です
もう願書の準備をしている状況という事は少なくともどの大学を受けるのかは確定してますよね?
例えば、自分の第一希望の大学が明治で第一希望は経営学部の場合
試験時間が70分
Ⅰ.長文→空欄10個 部分英作(単語穴埋め)1問×5単語 内容一致5問
Ⅱ.長文→空欄5個 内容一致5問
Ⅲ.文法→穴埋め15問
Ⅳ.会話文→穴埋め5問
ここまでは9月の時点で調査をしていると思いますが…
この時期からは
Ⅰ.の長文に25分 Ⅱ. に20分 Ⅲ. に10分 Ⅳ. に15分
があくまでも理想タイムだけど、それは机上の空論です。
実践=赤本の中で自分の特徴と特性を発見してどうやって点数を取るのかをやっていく必要があるのです。
では具体的に
自分なら
Ⅰ. の空欄問題は3分だろうが20分だろうが50分だろうが正答率はあんまり変わらないので、いか に Ⅰ. の空欄は1分くらいで解けるところを解いていく。特待生狙いの満点狙いではないから
Ⅰ. の内容一致問題は書いてあるところを探すだけの問題なので、探しきる時間10分をいかに確保
できるか・・・
Ⅱ. は Ⅰ. と同じです。
Ⅲ. 文法は過去問で過去10年間でどの文法テーマが一番出たのかを必ずデータベースにしてくださ
い。
例えば過去10年間の出た個数と自分の正答数を出したとします
前置詞 14分の3
仮定法 12分の12
不定詞 8分の6
比較級 34分の9
時制 19分の11
品詞 15分の12
関係副詞 6分の4
関係代名詞 7分の5
この数字みれば、明日のメニューが決まると思えません?
この数字を出してこそ初めて ネクステやスクランブルやヴィンテージの単元別の問題集をだして、比較級と前置詞をやらなければならない。となるのではないでしょうか?
④ ネクステやスクランブルやヴィンテージ文法1000の正しい使い方
分厚くて解説も濃厚で素晴らしい文法書だけど、残念ながら、ちゃんと使えている人は全体の10%くらいでしょうか?
効果的な使い方を知っていますか?
単元別の問題集をやるにあたって
最も効果のないやり方
最も効果のない方法=とりあえずのこり50日で1回やってみた。
これは最悪です。単元別の問題集のメリットとデメリットを全く使いこなせていないです。
じゃあ、ここで単元別の問題集のメリットとデメリット
メリット
・単元毎にまとめられているので調べやすい
・量が多いので苦手な文法の問題数を稼げる
デメリット
・単元毎なので、「不定詞」「比較級」「動名詞」などと書いているとそのテーマが入るのでは?と潜在意識が働く
・量が多く何度も回すには向いていない
142番 動名詞
I will go to my hometown next week. I’m looking forward( )my friends then.
(ア)see (イ) seeing (ウ) to see (エ) to seeing
→ looking forward to ing 動名詞を使う事がわかってる
つまり、効果的に使うには?
志望校が良く出す単元でなおかつ自分の苦手なものは毎日やるようにする
上記の例えの場合
比較級 34分の9 これを毎日やります。
前置詞 14分の3 これは奇数の日にやる
…
…
仮定法はもう受験までは必要ない
など回し方を決めます。
このように質を上げていくことが可能なのです。
ここで質の話をしましたが
元プロ野球選手の里崎智也さんが素晴らしい話をしています。
これを授業で聞いてもらってからのある生徒さんの声です
「量より質? 質より量?」という話を聞いて
私は運動部に入って、まず「腕立て伏せ」や「腹筋」といったいわゆる「筋トレ」が苦手でした。一日30回いや10回でも初めのうちは厳しくて10回を3セットでやってもへとへとになっていました。もちろんそれくらいでは全然筋肉も付かないので夏休みまではずっと質も上がらず筋肉も付かない状況でしたが、夏休みの合宿でみんなと1日200回やってみて死にそうなくらい疲れたけどそれを4日連続でやってからは毎日100~200は平均でやれるようになりました。そうするとビックリするくらい早く筋肉が付き始めたのを思い出しました。
単語テストも2年生の春は1ヶ月で300が範囲でそれでも最初は多いなと思いましたが、1日20~30やっていけば良いと思っていました。だけどいつもギリギリの惜しい点数で不合格でした。9月からは範囲が600になっても同じペースでやっていたので最近の単語一斉は一桁にまで下がってしまいました。
なので、この話を聞いてから、1カ月で600個の場合、毎日200個やるようにと書かれたプリントを思い出して1週間やってみると少し手応えを感じているので嬉しくなってメールをしました。
このように運動でも勉強でもある程度の負荷と実践こそが質を上げるので、まだ結果が出ないうちは量をこなしながらも実践=赤本をやっていくしかありません。
実際1流のクリスティアーノ・ロナウドは未だに一日1000の腹筋をやっているそうです。
阪神タイガースの鳥谷選手も試合前と試合後に必ず素振りをたくさんするそうです。
また、長年の経験からいうと人は4日5日以内に1周まわさないと忘れる量が勝っていくので、2000単語を試験日に使えるようにしておくには一日当たり400~500個は回す必要があるといえるでしょう。